眠っている間に視力の矯正ができるコンタクトがあることをご存じでしょうか。正式名称を「オルソケラトロジーレンズ」といい、「ナイトコンタクトレンズ」とも呼ばれています。
今回は、オルソケラトロジーレンズ、通称ナイトコンタクトレンズとはどんなものなのかについて解説。あわせて、治療開始までの流れや何歳から利用できるのかなど、気になる疑問にもお答えしていきます。
ナイトコンタクトレンズってどんなもの?
「目が悪くなった」「視力が落ちた」・・・これは、角膜の屈折異常によりピント調節がうまくできなくなっている状態です。
ナイトコンタクトレンズは、眠っている間の数時間のみ装着し、角膜の形を矯正します。朝起きたらレンズを外し、日中は裸眼のままで過ごします。毎日メガネやコンタクトを使用している方にとって、裸眼でもよく見える状態に戻れるというのはまるで夢のようですよね。
レーシック治療や眼内レンズ(ICL)と違い、手術の必要はありません。また、基本的にはレンズを使っての矯正治療を中止すれば、元の状態に戻ります。「一生ものの施術は不安」という方も、安心して挑戦しやすい矯正治療です。
ナイトコンタクトレンズでの矯正治療を開始するまでの流れ
ナイトコンタクトレンズでの矯正治療を受けるためには、まず治療を行っている眼科のクリニックへ行く必要があります。
クリニックではまずカウンセリングを行い、そのあと眼の状態の検査を行います。それから角膜の形状や眼圧などを検査し、問題がなければクリニックでレンズのテスト装着を行います。
テスト装着では、実際にレンズをつけて2時間ほど仮眠をとることが多いようです。テスト装着で問題がなければ、正式にレンズを注文し治療開始となります。
ナイトコンタクトレンズにかかる費用の目安は?
ナイトコンタクトレンズでの矯正治療は保険が利かず、自由診療の扱いとなります。費用はクリニックにより異なりますが、初期費用としては10万円~20万円が相場です。その後1ヶ月~3か月ごとに定期検査があり、その費用が1回あたり数千円程かかります。また2年ごとにレンズ代が発生します。
ナイトコンタクトレンズ自体もいくつかの種類があり、それによっても費用が変わります。よく用いられるものは、日本製の「オルソ-K」というレンズや、アメリカ製の「マイエメラルド」というレンズです。より瞳への負担を減らすよう開発された日本製の「プレミアムレンズ ブレスオーコレクト」を扱うクリニックも増えています。プレミアムレンズ ブレスオーコレクトを使った治療は、費用が高めになる傾向があるようです。
何歳から何歳までの人が、治療を受けられるの?
今ナイトコンタクトレンズというと、「子供の視力矯正に使われるもの」というイメージがある方も少なくないのではないでしょうか。
実際には、6歳くらいの子供から70代の方まで、幅広い年代の方が矯正治療を受けられます。10歳くらいまでの子供の場合、角膜が柔らかいため治療の効果が出やすいとされています。そのため子供の視力矯正方法として勧められることが多いですが、大人の方でももちろん受けることができますよ。
気になる方は、まずは眼科で相談してみましょう
ナイトコンタクトレンズを使った治療を希望する人は、世代を問わず年々増えているそうです。オルソケラトロジーの本家であるアメリカでは、比較的ポピュラーな視力矯正方法となってきています。
ただし、目に異常がある方や角膜に特殊な歪みがある方、強い乱視の方などは、治療を受けられない場合もあります。気になる方は、まずは眼科のクリニックへ行き、治療を受けられるかどうかを相談してみてはいかがでしょうか。