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「時代遅れ」と言われる5つの理由とその現状
ハードコンタクトレンズが「時代遅れ」というイメージを持たれているのは、主に5つの理由が関係しています。しかし、その背景を理解すれば、決してデメリットばかりではないことがわかります。
理由1:装用初期の「違和感・異物感」
ソフトコンタクトレンズに比べて、ハードコンタクトレンズは硬い素材でできているため、初めて装用する際は強い違和感や異物感を感じやすいのが事実です。しかし、これは一時的なものです。慣れてしまえばほとんど気にならなくなり、まるで裸眼のような快適な見え方とつけ心地になる方も少なくありません。
理由2:毎日の「手入れ」が面倒
使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズが主流になったことで、ハードコンタクトレンズの毎日の手入れが面倒だと感じる方もいるでしょう。ハードコンタクトは、専用の洗浄液を使ってレンズをこすり洗いし、保存するというケアが欠かせません。
しかし、この丁寧なケアをすることで、1枚のレンズを長期間、清潔に保つことができます。
理由3:ソフトより初期「価格」が高い
コンタクトレンズの価格を比較すると、ハードコンタクトレンズはソフトに比べてレンズ1枚あたりの単価が高い傾向にあります。この初期費用が、ハードへの挑戦をためらう大きな理由の一つかもしれません。しかし、後ほど詳しく解説しますが、実は長期的に見るとコストパフォーマンスに優れているのです。
理由4:紛失・破損の「リスク」
ハードコンタクトは、ソフトに比べて小さく硬い形状のため、落としてしまったり、誤って割ってしまったりするリスクがあります。しかし、多くのメーカーが紛失や破損に対する保証制度を設けているため、過度な心配は不要です。
理由5:慣れるまでに「時間」がかかる
ソフトコンタクトレンズが装用したその日から快適なつけ心地であるのに対し、ハードコンタクトレンズは目に馴染むまでに時間がかかります。慣れるまでの期間は個人差がありますが、一般的には数日〜数週間かかると言われています。この「慣らし期間」が、ハードコンタクトの大きなハードルの一つです。
ハードコンタクトは「眼瞼下垂」の原因になる?リスクを解説

ハードコンタクトレンズは、まぶたの裏側にある組織と摩擦を起こすため、「眼瞼下垂」の原因になる可能性があるという説があります。このリスクに対しては、適切なレンズ選びと定期的な眼科での検査が非常に重要です。もし少しでも不安を感じる場合は、必ず眼科医に相談し、自分に合ったレンズを選ぶようにしましょう。
あなたにぴったりなのはどっち?ソフトとハードを徹底「比較」

ここからは、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズを、より具体的な視点から比較してみましょう。
比較項目 | ハードコンタクトレンズ | ソフトコンタクトレンズ |
目の健康への負担 | 酸素透過性が高く、目に酸素を多く届けられるため、目の健康に優しい。 | 酸素透過率が比較的低く、目の負担になることがある。 |
矯正力と見え方 | 硬い素材で形状が安定しているため、乱視の矯正に優れ、クリアな視界が続く。 | 柔らかい素材のため、乱視の矯正はハードに劣る場合がある。 |
寿命とコスパ | 丁寧な手入れで2〜3年使用できるため、年間コストはソフトより低い。コスパは非常に良い。 | 1日、2週間、1ヶ月など使用期限が決まっているため、ハードより年間コストは高い。 |
ケアの手入れ | 専用の洗浄液を使った毎日の洗浄が必要。 | 1日使い捨てタイプは手入れが不要。2週間タイプは比較的簡単にケアできる。 |
装着時の違和感 | 慣れるまで違和感がある。 | 柔らかく、目に馴染みやすいため、装用時の違和感が少ない。 |
「ドライアイ」との相性 | レンズが水分を含まないため、目が乾燥しにくく、ドライアイになりにくい。 | レンズが水分を含むため、乾燥しやすく、ドライアイを悪化させる可能性がある。 |
スポーツや激しい動き | 外れやすいため、激しいスポーツには不向き。 | ズレたり外れたりしにくいため、スポーツに適している。 |
乱視・近視など度数の違い | 強い乱視や円錐角膜などの特殊な症状の矯正に優れている。 | 乱視にも対応した製品も多いが、ハードほどの矯正力は期待できない場合もある。 |
つけ心地を重視するなら「ソフトコンタクト」がおすすめ

もし、あなたがコンタクトレンズに「装用時の違和感のなさ」や「手軽さ」を求めるなら、ソフトコンタクトレンズがおすすめです。
ソフトコンタクトレンズは、柔らかく水分を含んだ素材でできているため、初めての方でも目に優しくフィットし、つけ心地が非常に快適です。また、1日使い捨てタイプを選べば、毎日の手入れが不要で、朝つけて夜外すだけという手軽さも魅力です。
まとめ:どちらを選ぶべきかは「眼科医」に相談

ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズは、それぞれに優れた特徴とメリットがあります。どちらが「時代遅れ」ということはなく、どちらを選ぶかはあなたの目の状態や生活スタイルによって異なります。
最終的に自分にぴったりのレンズを見つけるためには、必ず眼科医の検査を受けて、適切なレンズを処方してもらうことが何よりも重要です。