近年、メガネと同じくらいコンタクトレンズを使用する方が増えています。コンタクトレンズは、外見を変えずに視力を矯正できる、とても便利なアイテムです。一方で、目が疲れる原因になっていることも事実です。
コンタクトをつけているとなぜ目が疲れるの?
コンタクトレンズ装用中は、瞳がレンズに覆われた状態。瞳に酸素が届きにくくなっています。酸素が不足している状態では、瞳に大きな負担がかかり、これが疲労の原因になります。また、ソフトタイプの場合、レンズが瞳から涙を奪いやすいため、瞳が乾燥しやすいです。これも疲労に繋がります。
人によっては、度数が合わないレンズを使っていることが原因で、疲労を感じることもあります。コンタクトレンズを使用する方は、きちんと度数の合ったレンズを使用してください。
度数が合っているのに疲労を感じるという方は、酸素を通しやすい「酸素透過性の高いレンズ」や、瞳から涙を奪いにくい「含水率の低いレンズ」を選んで、使ってみてください。「シリコーンハイドロゲル」という新しい素材を使ったレンズなら、どちらの特徴にも当てはまるので、目に負担がかかりにくく快適に使えます。
シリコーンハイドロゲルを使った商品の例
■ワンデーアキュビューオアシス
ジョンソン&ジョンソンが販売する、アキュビューシリーズの一商品。レンズに保湿成分を含有することで、1日中続くうるおい感を実現しています。朝から夜まで、目の乾きや疲れを感じない快適なつけ心地が続きます。
■デイリーズトータルワン
アルコンが販売する、「生感覚レンズ」の別称でお馴染みの商品。レンズ表面部と中央部で含水率を変化させた水分三層構造によって、裸眼のようになめらかなつけ心地です。さらに独自のテクノロジーが涙の蒸発を防ぐので、うるおい感が長く続きます。
■マイデイ
クーパービジョンが販売する、裸眼のようなつけ心地の商品。快適なつけ心地の秘密は、酸素の通しやすさ、レンズの柔らかさ、うるおい感、UVカット機能の4点に工夫を凝らした「快適バランス設計」にあります。ストレスなく使えるレンズです。
疲れの原因だからといって、近視や遠視の方がコンタクトレンズを使用せずに生活すると、ピント合わせがしにくく、却って疲れを感じる原因になります。適切な商品を正しく使えば、ひどい目の疲れに悩まされる心配はないので安心してくださいね。
目が疲れる原因はコンタクトだけじゃない
現代で広く普及しているスマートフォンをはじめとしたIT機器の液晶画面も、目に大きな負担をかけている原因の1つです。液晶画面から発せられている「ブルーライト」という光は、紫外線に近いほどの強いエネルギーを持っています。このブルーライトが瞳の奥まで届き、目に負担をかけます。疲労を感じるだけではなく、眼病のリスクを高めたり、睡眠の質が低下して体調にも悪影響を与えたりといった問題が起こるとも言われています。ブルーライトの目への影響について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→ブルーライトは目にどんな影響を及ぼすのか?対策ができるコンタクトも紹介します
目の疲れを放置すると、「眼精疲労」といって、頭痛や肩こりなど、全身の症状を伴うほどに悪化する恐れがあります。適度に疲労を緩和させましょう。
目の疲れにはツボ押しマッサージのアイケアが効果的
疲労を緩和させる対処法は様々ですが、中でもツボ押しマッサージを利用したアイケアは、その場で簡単にできるためおすすめです。
目元には、「攅竹(さんちく)」「魚腰(ぎょよう)」「糸竹空(しちくくう)」「太陽(たいよう)」「瞳子膠(どうしりょう)」「承泣(しょうきゅう)」「睛明(せいめい)」の7つのツボがあります。
攅竹:眉頭の横、骨のくぼみ辺り魚腰:眉毛の真ん中辺り
糸竹空:眉尻の骨の外側にあるくぼみ辺り
太陽:眉尻と目尻の中央にあるくぼみ辺り
瞳子膠:目尻の外側にあるくぼみ辺り
承泣:目の真下にある骨際のくぼみ辺り
睛明:目頭と鼻の横にあるくぼみ辺り
これらのツボに指をあて、押すようにゆっくりと力を入れて刺激し、マッサージすると、目元の血行が良くなり、疲労物質が流れて疲れ目が緩和されると言われています。刺激する回数は1ヵ所につき10回程度です。
7つのツボのうち、疲労に大きく関係すると言われている場所は睛明です。パソコン作業を長く続けた時に、無意識に鼻の付け根辺りを揉むような仕草をしたことはありませんか?これは、睛明を刺激することで目の疲労を和らげようとする仕草だと考えられます。同様に、太陽もまた目の疲労に大きく関わる場所です。時間がない時は、睛明と太陽を重点的にマッサージすると良いでしょう。
ツボ押しマッサージのポイント
マッサージは、入浴後などの体がリラックスしている時にすることがポイントです。血行が良くなっているため、疲労物質が流れやすく、疲労が和らぎやすいと言われています。力を入れすぎるとかえって痛みを感じる原因になるため、あまり強く押しすぎずに、気持ち良いと感じる程度に留めましょう。マッサージの時は、爪を立てないように注意してください。エステサロンなどでも、疲労解消のためのツボ押しマッサージを受けられます。時にはサロンも利用することで、より疲労の緩和効果を期待できます。
あまりに疲労の症状が長引く場合や、頭痛や肩こり、吐き気などを覚えた場合は、眼精疲労になっている可能性があります。すぐに眼科医に相談しましょう。
目の疲れを感じやすい環境で生活しているからこそ、日々のアイケアがとても大切になります。マッサージの他には、目元を温めることも疲労の緩和に効果的です。ぜひお試しください。